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ワグナーナンドール・アートギャラリー(秋期展)  

03-11,2016

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竹藪・・・懐かしい・・・


益子の 「ワグナーナンドール・アートギャラリー」 にて 1ヶ月間の 宇賀地洋子個展。

もう 去年 秋のこと、、、!!!

やきものの里 益子の共販センターから東に 細い坂道を しばらく登ると

竹藪が見えてくる

すると 左側に 自然の起伏を生かした 「ワグナーナンドール・アートギャラリー」 の建物群と

ブロンズ彫刻が現れる。

春と秋の2ヶ月間だけ 人々が訪れる空間。

私の個展の様子を書く前に まず ここの魅力を 伝えたい、、、








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ワグナー・ナンドールさん ハンガリー生まれ
彫刻家・建築家・哲学者

第二次大戦、ハンガリー動乱を経て スェ-デンに亡命、

日本人のちよさんと出会って結婚 後に帰化している

1969年日本へ   そして 翌年益子へ

(そのころ、私は 益子の隣、真岡市の女子高3年生で 彫刻科受験で東京へ、、、

あの頃 既に お二人は もう益子に住んでいらしたんですね~、、、

もしも もしもひょっとして出会っていたら 1浪せずに ワグナーさんに弟子入り・・・

な~んてあったかな、、、??!)



益子に住んで お二人は  アトリエ・茶室・禅の廊下・住居・五角堂ギャラリーなどなど、、、次々と

これらすべての建物を 自分たちで建てたそうな、、、!!!

ワグナーさん自ら ユンボを運転し 斜面整地したり、屋根の釘はちよさんが打ったりとか、、

会えばとてもそんな風には見えないちよさんです。

(戦争で負傷したワグナーさんには後遺症が残って 出来ない作業もあったとか、、)




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2015年秋期展のポスター  「禅の廊下」という 2階建ての長い建物  1階内部

2メートル、、 それ以上の石膏原型が 幾つも並んでいるのが見えますね

でも内部の撮影は禁止なので 屋外のブロンズ彫刻を紹介します、





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「哲学の庭」 計11人の賢者の像

円環の処には 世界の5大宗教家 思想家が 一同に会しています。

生前ワグナーさんは
「これが もし日本でなかったら 完成前に自分の命はなかったろう、、、」と言っていたそうな・・・

お正月には神社にお参りし、日々仏壇に手を合わせてお線香をあげ、 教会では結婚式もするし、

バレンタインに、  ハロウィン、、と何でもござれ・・

それらが自然と行われている日本だからこそ 命の危険もなく完成できたとのこと、、、

本来なら対立宗教の祖を隣り合わせに作るなんて、 日本人の私にはピンときませんが 

とても危険な行為なのでしょう、、
 
危険と言えば、、

ハンガリー動乱の指導者の一人だった政治亡命のワグナーさん、、

 敢えて 車がすれ違えないような細い道の奥にアトリエを構えたのには

危険を避ける目的ももあったそうです、

(敷地の奥には何台も駐車出来るスペースがあるのですが、 途中狭いのは 

そんな理由もあったのですね、、、)
  
「哲学の庭」 は 母国ハンガリーはもちろん 

都内中野区の「哲学堂公園」内(妙正寺川沿い)にも設置されています

http://www.tetsugakudo.jp/tetsugakunoniwa.htm






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中心の球を囲む円環には

・アブラハム(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、、、聖典の民の祖)

・エクナトン(エジプト王 アメンホテプ4世、、 アモン信仰を捨て アトン崇拝を開始した)

・老子( 道家の祖)

・キリスト( キリスト教)

・釈迦( 仏教 )


その周りには

・ガンジー(インド独立の父。弁護士、宗教家、政治指導者)

・達磨大師 (禅宗)

・聖フランシス(フランシスコ修道会創設)


そして
・ハムラビ(「ハムラビ法典」制定)

・ユスティニアヌス(ローマ法大全編纂)

ちょっと離れて
・聖徳太子(憲法十七条制定)





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「アブラハム」



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「エクナトン」



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「キリスト」



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「釈迦」



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「老子」

ワグナーさんは 幼い時におじいさんから(お父さんだったかな・・・?今手元に自伝が無くて曖昧だ・・・) 

老子の本を渡されて 愛読書だったそうな、、

「禅の廊下」の2階には テラコッタの老子像がいくつも並んでいる

こんなに 沢山の老子像を作った作家を私は他に知らない





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「ガンジー」




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「達磨大師」





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「聖フランシス」




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「ハムラビ」

何度も戦争を経験してきたワグナーさんの平和への想い、、、が

法律の祖  ハムラビ・ユスティニアヌス・聖徳太子の像となってるんでしょうね、、



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「ユスティニアヌス」








ここから、木戸を開けて東に向かうと 空に聳えるように立つ像

冠は天を突いてしなり、衣の裾はまき上がり

風に向かって歩いてる、、

困難もなんのその、、、という風だが

見上げるお顔は 意外や、、 穏やかに見える、、






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「聖徳太子」








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「聖徳太子」





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「馬」

この2頭の馬たちは 日本の○室の ある ごき○う○い を象徴して造られたものと聞いた





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「未敷蓮華 (みふれんげ)」

「みふれんげ」・・・音の響きがいいですね、、

私はこの像で初めてこの言葉を知りました。

未敷蓮華は蓮華の蕾がまさに開花しようとする状態のことであり、、、とあります

どっかりと腰をおろして坐らずに 斜めの蓮の葉に乗った形がまた、

この音の響きと合っているようで、、、

ワグナーさんは 造形ばかりでなく

日本語の音にも美を感じていたような気もしますね・・・






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「未敷蓮華 (みふれんげ)」

とても日本的な まさに「「未敷蓮華」の顔立ち、、、




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「宮本武蔵」

「禅の廊下」の東の端の 斜面の上に端坐する宮本武蔵、、、

なぜこんなところに、、?と思うような面白い場所に座っています、

剣豪でありながら 学者の風貌、、


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「禅の廊下」


2階には テラコッタの小品が沢山並んでいます

大小の墨絵(?)も多数あって、大きいのは畳1枚位のサイズに 筆が走っています、

ワグナーさんの平和への希求が まるで 走る筆 となってるようです、、、

展示室の他に 東西の端の2つの部屋には本や写真アルバムが何冊も置いてあって とても1日では見きれません

ある人は 年に2か月の期間中 毎日のように来て

「ピエタ」像 だけを見てから 仕事に行かれるのだとか、、、

撮影出来ないので 紹介出来ませんが

このピエタは マリアが両足踏ん張ってキリストを抱き抱えている像で、

座って抱き抱えているイメージとは 全く異なります。

細い像ですが 力強いのです

ちよさんが初めてワグナーさんのアトリエを訪ねた時 この像を見て 感動したのだそうな、、

この像が 二人を結びつけたと言っても過言ではないかもしれないな、、、

などと 勝手に想像してしまいます、、、





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「エターニティ」(ステンレス)

ステンレス鋳造は 収縮率が大きいので ブロンズ鋳造と違ってとても難しいのだそうです、

ワグナーさんは 自分でその収縮率を計算して 世界で初めて ステンレス彫刻を作った人。。。

ちよさんから聞くと、昔の映画に出てくるような あの手回し計算機で  計算したんだとか、、

にしても、、彫刻家 建築家 哲学者 のほかに 数学者というのも加えられそうですね。。。





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「恩人」

日本に来てアトリエ建設を始めた当初は 普通に業者さんに頼んでいたそうです、、

ところが 折しも高度経済成長期で 腕のいい職人さん達は皆 都会に行ってしまい

来てくれたのは 腕がいいとは言えない職人さんたちだったそうで、

問題個所を指摘すると こじれて 結局は 資材を売ってもらえないことにまでなってしまったそうです、

むき出しの鉄骨が立ったまま 中断されて 進退きわまったそうな、、

その窮地を救ってくれたのが ちよさんの知人で足銀頭取のこの方だったそうです。

以来、お二人は 自分たちで作ることにして コツコツと建設工事をしてきたそうな、、

こうして アトリエ・茶室・住居・禅の廊下・五角堂ギャラリーなどなど作ってきたそうです・・・!!!

なんという お二人でしょう!!!







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「茶室」






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「茶室内部」

黒白ラインは ワグナーさんが フリーハンドで描いたそうな、

とてもモダンな漆喰壁です。

奥の方に見える下窓からは 丁度、母子像が見えるようになっています。


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「茶室白壁に映る水紋」

茶室前の池が風で波打つと 漆喰の白壁に さざ波紋様が映って

飽きません

子供のころ 蔵の壁に映っていた紋様をやはり眺めていたことを思い出しました

太陽と 水と 風と 木の葉と 白壁が作る映像、、、

ワグナーさんには 想定内だったでしょうね、、



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「茶室とアトリエの間の母子像」




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「母子像」

これを見て 私の母子像と似てるね、、と言う人が何人かいて

嬉しく思いますが、とてもとても 足元にも及びません、、

こんなに 潔く シンプルには 出来ないし

こんなに 形だけで あったかくも出来ないし、、、

溜息・・・・





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「アトリエと母子像」

このワグナーさんのアトリエは とにかく天井が高い!!

斜面を利用して3階建ての感じ、、

当時のまんま、内部はそのままにしてあって、とても興味深い

この前までは 使いかけの粘土が乾かないように ちよさんが濡れた布で保存して 

そのまま置かれてあった!

ワグナーさん手作りの椅子もあって これがまた、すわり心地がいい!

何本かビデオも見ることができる

アルバムを見たり  作品を見たり ここでビデオも見たりしていたら

とても1日2日では 無理だ、、

だから、リピーターで 訪れる人が多いのだろう

個展は1か月と長丁場だったから

ちよさんから ワグナーさん直々のデッサン方法も教えて貰った!

また、こんなお話も聞くことが出来た

ワグナーさんは 粘土を付けるのが とても速かったそうな、、

心棒が出来上がると

翌日は 朝 下着から全てを着替えて 身を清めて祈ってから始めたそうな、

「はい」の合図の元に 粘土をじかに手渡すのはちよさん

ちよさんだけでは間に合わないので もうひとりいつも頼む人がいたそうな、、

おじいさんで その人が使いやすい大きさにしたのを 

更にちよさんがげんこつ位の塊にして ハイ  ハイ  ハイ 、、、と次から次から渡しても

遅いくらいのスピードで 瞬く間に 荒付けを したそうな・・・!!!

一日でほぼ おおまかな 大体の形が できてしまったそうです、、、


しかし、その最中に 邪魔が入ると その像はもう出来あがらなかったそうで、

一度その時のエネルギーが中断されるともう継続出来ないらしい・・・

要するに 粘土を付けているときは 一種 神がかっている・・・とでもいうような状態なのかもしれませんね、、

そういう姿を 目の当たりに間近に見てきたちよさんのお話はとても興味深い。

「禊して祈ってから 粘土をつけ始めた」・・・ここに制作の原点、基本があるのだろう・・・



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「詩人  ヨーゼフ・アティラ」


この像はハンガリーで作った 若い時の作品だそうだ

哲学の庭の彫像達とは粘土のつけ方が違うが

好きな像のひとつ、、








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「モーゼ」

モーゼはただ一体だけ  離れて竹林にある

そこには 意味があるのだそうだ

敢えて像の前に 竹が 生えてるのを 良しとしたそうな

普通は邪魔で真逆であるが

モーゼの「海割れ」の話があるのだから、、 竹を海としたのだろうか、、、?

などと思ってしまった、、


最後に

ワグナーさんは良く言っていたそうだ。

『 私は文化、宗教などの相違点よりも

各々の共通点を探しているのです。

共通点を通してしか

お互いに近づくことは出来ないのです。』

『哲学の庭』 於 益子

ワグナー・ナンドール




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「せんぶり(薬草)」

モーゼの像の傍の竹林に、せんぶりが群生していた、

昔は 「とうやく」  と言って山へ行って 採ってきておいたもので

乾燥して 薬として常備しておいたもの。

藁屋根だったころの実家の土間には せんぶりの束が架かっていた

久しく忘れていたあの苦い味が口の中に蘇ってきそうです。




長い記事に お付き合い ありがとうございました!!!


次は私の併設個展の模様を!!
(FC2は 写真を縮小してダウンロードしないとアップ出来ないので それがネックで
なかなか書けない、、、言い訳です~!)






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